鈴木貴美一HC 「ラスト20試合で最高のシーホースを皆さんにお見せしたかった」
鈴木貴美一 ヘッドコーチ
「ラスト20試合で最高のシーホースを皆さんにお見せしたかった」
―中止となった現在、素直な気持ちを聞かせてください
選手の健康を考えると止むを得ないと思います。ただチャンピオンシップに向けてチームのギアを上げていたので、個人としては残念な結果と受け止めています。ファンの方に試合をお見せできないことも残念ですね。
困難な状況がやってきてモチベーションが下がっているチームもある中、我々の選手は中断期間もしっかりと練習に臨んでくれましたし、外国籍選手も不満を言わず準備してくれました。
長いこと監督業をやっていますが、(無観客試合やシーズン中止など)このような経験は初めて。ファンの方々の青援がどれほど私たちのエネルギーやモチベーションになっていたか、改めて気づかされました。選手も同じ気持ちだと思います。恵まれた環境でバスケットボールができていたと思うと、ファンの方に対して感謝の気持ちでいっぱいです。
―中断期間もハードに練習していたと聞いています
私たちの課題であるチームディフェンスと、トランジションの練習に時間を費やしてきました。(シーズンが)再開するかどうか分からない状況にもかかわらず、選手たちは成長するんだという強い気持ちで真剣にやっていましたし、こういう結果になってしまいましたが決して無駄な時間ではなかったと感じています。
―今シーズンを振り返って。期待に応えてくれた選手を挙げるなら?
全員が頑張ってくれましたが、一人だけ挙げるなら川村選手ですね。彼はやんちゃ坊主で、今までの三河にもやんちゃな選手がたくさんいましたし、そういう選手のほうが個人的には好きです。イエスマンだけでは組織は強くなりません。
べテランになってくると自分の経験値だけで物事を判断してしまうことが多く、それがチームにとってマイナスになってしまうことがあります。その点、彼は「こういうことを言いたいのですが良いですか?」と僕の許可をとってからチームメイトに伝えてくれました。ベテランですが練習は一生懸命で声もよく出します。昨シーズンの三河には、周囲からリスペクトされてなおかつリーダーシップも発揮できる選手が不在でした。そうした意味では川村選手は期待に応えてくれましたし、本当に獲得して良かったと感じています。
―最後にファンに向けてメッセージをお願いします
負けている時でも一生懸命に応援してくれたことが本当にありがたかったですし、応援してくれる方々のためにもチャンピオンシップで結果を出したかったです。
優秀な選手を獲得できましたが、チームとして噛み合わない時間が多かったのは事実。終盤に向かって非常に良いムードになってきて、チームが一つになりかけた時期での中止だったので、とても残念。残りの約20試合で良い状態のチームを見せられたと思うと、今回の中止は悔しいですね。この経験を無駄にしないよう、次のシーズンに向けて努力していきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いいたします。